2010/04/27

revokoの晴耕雨読 「女生徒」

女の子は多忙な生きものだ

朝からドキドキしたり、
ドギマギしたり、ハラハラしたり、
いい子になったり、反省したり、
可愛らしくなったかと思えば、
意地悪になったり、
スネたり、イジケたり、
優しくなったり、甘えたり、
いい格好したり、ちょっと見栄をはってみたり
恥ずかしがったり、図々しかったり、
自分が大嫌いになったり、大好きになったり、
自分でも
「まったく嫌になっちゃう」
生きものなのだ。

20代も30代も40代になっても
ここに変わらぬ女の性を見つける
きっと50代も60代も70代になっても
相変わらず
「まったく嫌になっちゃう」
のだろうな〜。

きのう縫い上げた新しい下着を着る。
胸のところに、
小さい白い薔薇ばらの花を刺繍ししゅうして置いた。
上衣を着ちゃうと、この刺繍見えなくなる。
誰にもわからない。
得意である。
(女生徒 太宰治著より抜粋)

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