遅ればせながら
とても繊細な緊張と緩和のさじ加減を図りながら
一人の女が紡いだストーリーに寄り添った。
先を行くでもなく後を追うでもなく
中に無理矢理入り込むこともなく
彼女の在るがままを映したような映画だった。
彼女はときどき5歳児のような笑顔を見せる
そうかと思えば
美しく走る馬のような20代のつややかな命を見せつけ
迷いの消えかかる40代の真っすぐな視線を向けては
60代のそこにいる彼女が
なにものにも媚びない
空に浮かぶ雲のような笑顔で笑いかける
やわらかい真綿につつまれた
強くブレない心
彼女に耳打ちされた言葉が蘇る
「私の人生はずっとAdjustmentの連続だった」
逃げないでいる為に
何度こぶしを握りしめたのだろう
私は彼女に一番美しくみえる姿勢で
丁寧におじぎをせずにはいられない
哀しみを置き去り、楽しむことを選んだ彼女は言う
「小さなことがとても大事なの」
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