今日はPina Bauschのお誕生日。
今年は彼女なしでお祝い。歌は天まで届くでしょ。
2005年のNefesの東京公演の後、ドキドキが止まらないので生まれてはじめて「出待ち」をして私は彼女にサインをねだった。震える手でパンフレットを手渡し「どこでもいいのでサインをくださいますか?」と言う私にニッコリ笑いかけ黒いページに黒のマジックでサインをしてくれた。黒に黒が映える。なんて粋な人なの!
私は若い頃、自分の肉体に嫌悪感を感じていた。身体なんてなくなってしまえばいいとずっと長いこと思っていた。未だに自分の身体に必要以上の装飾をするという概念自体が私の中にはない。爪を伸ばし、まつげを伸ばし、目の周りに色づけをし、唇を思いのままの輪郭に描く、というような女性が持つ独特な欲求というものがどうも薄いような気がする。それは何故だかはわからないけれど、ある種のコンプレックスというものになって私の中で見え隠れし浮遊していた。
20代の時にはじめて彼女の舞台を見た。
その時、私は肉体に対しての呪縛からいとも簡単に解き放たれた。全く持って爽快な気分だった。
彼女の踊りを見て、肉体と精神のバランスというものがスーっと私の心に落ちたのは、彼女が「痛み」というものに目を背けなかったからなのだと思う。
光だけでは癒せない。暗闇の中にこそ光があるから。
さて、コーヒーを入れて彼女の誕生日をお祝いしようっと!
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